外国人採用者必見!JLPT(日本語能力試験)ってどんな試験?(2020/7/13)
近年の外国人材の採用の増加に伴い、対応に悩まれる人事の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、外国人採用の基準として一般的に知られているJLPT(日本語能力試験)について解説いたします。採用時の知識としてご参考にしていただけましたら幸いです!
JLPTとは「Japanese Language Proficiency Test」の略で、日本語が母国語でない外国人向けの日本語能力検定試験です。外国人を採用選考する多くの企業がJLPTの所持レベルを応募条件として設定しています。
①世界最大規模:日本語本語能力試験(JLPT)は全世界で100万人以上が受験する、世界最大規模の日本語の試験。7月と12月の年2回、日本国内および世界各地で行われている。
②メリット:最高レベル(N1)を持っていると評価や採用に有利な教育機関や企業も多く、メリットが多いため、受験者数は年々増加傾向
③5段階のレベル:N1~N5まで5段階に分かれている。N5が最も基礎的なレベルで、N1が最も高いレベル
N1:幅広い場面で使われる日本語を理解することができる
N2:日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる
N3:日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる
N4:基本的な日本語を理解することができる
N5:基本的な日本語をある程度理解することができる
※日本語能力試験で問われるのは「日本語の理解」であり、各レベルの認定の目安は「読む」「聞く」という言語行動で表されていることがわかります。
※一般的にビジネスレベルと認識されているのはN1、ビジネス最低限レベルとされているのはN2レベルで、採用基準としてN1、N2を設けている企業が多いです。
試験は、言語知識(語彙や文法など)、読解、聴解という三つの分野を受験し、180点満点の中、合格点数を超えたら合格となります。しかし、それぞれの分野の最低ラインの基準点が設けられており、合計点数が合格点を超えても、基準点を下回る場合、不合格になります。そのため、苦手分野も最低限の得点がとれるよう準備をしておく必要があります。
言語の四つの技能として、「読む、聞く、書く、話す」の4つがあり、「読む、聞く」は受容能力、「書く、話す」は産出能力と言います。
「読む、聞く」:受容能力 →日本語能力試験で測定できる
「書く、話す」:産出能力 →日本語能力試験で測定できない
日本語能力試験では「読む、聞く」という受容能力を四択のマークシート方式で測定しています。マークシートによる回答のため「書く、話す」という産出能力は測定することができません。
このため、日本語によるコミュニケーション能力を総合的に評価しているとは言い切れません。実際のところ、同じレベルの合格者でも、読み書きレベルや会話レベルは個人差が大きいという特徴があります。
言語習得の過程としては、一般的には「読む、聞く」という受容能力のほうが早く習得されると言われています。
「読んで話の内容はわかるけれど、書けない」「聞くとだいたいわかるけれど、話せない」といったケースがよくあります。
しかし、漢字圏の日本語学習者の場合、「もともと漢字がわかるので読解や筆記は得意、でも会話は苦手」という傾向が強くみられます。漢字圏の学習者にとって日本語の漢字の多くは母語と共通する文字であるため(書き方や意味の違いは多少ありますが)、漢字を見て意味がすぐに理解できてしまうのです。
漢字圏出身者か、そうでないかによる学習成果の違いは、特に中級レベル以上に当たるN1、N2レベルにおいて顕著になります。
Nレベルが高くなるにつれて漢字語彙が増えるため漢字圏の学習者にとっては有利、非漢字圏の学習者には不利になってしまうのです。
それでは採用に必要な日本語レベルはどのくらいでしょうか?
最も大事なのは、自社にとってどの位の日本語レベルが必要なのかということです。
社外の日本人のお客様に対して日本語を使って仕事をする国内営業職や管理職などの場合は、少なくともN1以上が望ましいと考えられます。
社内の会議に参加し、プレゼンを求められるレベルはN2以上、一方で、社内コミュニケーションだけでも十分なエンジニア職・技術職などの場合、N3程度以下の日常的な会話が少しできれば大丈夫かもしれません。
又、工場のラインや外国語でのマニュアルが完備されている業務であればN4、N5程度でも大きな問題はないようです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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