日本語能力の資格は何がある? それぞれの特徴と取得の理由を解説

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「日本語の資格って何がある?」「外国人が取得した方がいい日本語の資格は?」
日本人にとって親しみ深い資格といえば、日本漢字能力検定、実用英語検定などが挙げられるでしょう。
では、外国人が日本で働く際に取っておいた方がよい資格といえば、何が思い浮かぶでしょうか。
本記事では、日本語の資格の種類や優先して取得すべき資格などを詳しく紹介していきます。

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日本語能力の資格を取得させる理由

日本のおもてなし精神はもはや文化として謳われており、サービスの丁寧さはたびたび外国人観光客を驚かせます。
そんな日本で働くとなると、やはり一定の日本語スキルは求められるわけですが、そこで信頼を得やすいのが「資格」というわけです。
今回は、外国人労働者が取るべき日本語の資格について解説していきます。

日本語能力の資格の種類

ここで紹介するのは以下8つの資格です。
  • ①日本語能力試験(JLPT)
  • ②ビジネス日本語能力テスト(BJT)
  • ③実用日本語検定(J.TEST)
  • ④実用日本語運用能力試験(TopJ)
  • ⑤日本語NAT‐TEST
  • ⑥生活・職能日本語検定(J‐Cert)
  • ⑦標準ビジネス日本語テスト(STBJ)
  • ⑧実践日本語コミュニケーション検定(PJC)
それぞれ、概要と試験内容、活かせる場面を解説していきます。

① 日本語能力試験(JLPT)

日本国際教育支援協会が、7月と12月に開催している試験です。
受験料は¥6,500。海外実施あり。

試験内容

試験内容は以下のとおりです。
  • ・文字問題
  • ・語彙問題
  • ・文法問題
  • ・読解問題
  • ・聴解問題

活かせる場面

もっとも一般的に日本語能力を測る指標として用いられます。
会話レベルが「N5」〜「N1」まで設定されています。

② ビジネス日本語能力テスト(BJT)

日本漢字能力検定協会が随時開催している試験です。
受験料は¥7,000。海外実施あり。

試験内容

試験内容は以下のとおりです。
  • ・場面把握問題
  • ・発言聴解問題
  • ・総合聴解問題聴読解部門
  • ・状況把握問題
  • ・資料聴読解問題
  • ・総合聴読解問題読解部門
  • ・語彙・文法問題
  • ・表現読解問題
  • ・総合読解問題

活かせる場面

ビジネスに特化した内容になっています。
就職活動で大変有利に働きます。

③ 実用日本語検定(J.TEST)

日本語検定協会が、1月、3月、5月、7月、9月、11月に開催している試験です。
受験料は¥5,200。海外実施あり。

試験内容

試験内容は以下のとおりです。
  • ・文法語彙問題
  • ・読解問題
  • ・漢字問題
  • ・記述問題聴解試験
  • ・写真問題
  • ・聴読解問題
  • ・応答問題
  • ・会話
  • ・説明問題

活かせる場面

就職や進学に際して実務的な仕事をこなすときに取り扱う高度な日本語が対象。
日本語を使って仕事をする場面などで役立つでしょう。

④ 実用日本語運用能力試験(TopJ)

TOPJ実用日本語運用能力試験実施委員会が、1月、3月、5月、7月、9月、11月に開催している試験です。
受験料は¥5,000。海外実施あり。

試験内容

試験内容は以下のとおりです。
  • ・絵、写真問題
  • ・会話問題
  • ・説明問題
  • ・難読解問題筆記
  • ・総合問題
  • ・読解問題
  • ・日本文化

活かせる場面

日本文化への理解能力を重要視した試験です。
留学生活や日系企業での活躍を想定しています。

⑤ 日本語NAT‐TEST

専門教育出版が、2月、4月、6月、8月、10月、12月に開催している試験です。
受験料は¥5,500。海外実施あり。

試験内容

試験内容は以下のとおりです。
  • ・文字問題
  • ・語彙問題
  • ・文法問題
  • ・読解問題

活かせる場面

日本語学校の授業の一環としても採用されています。
学生の成績評価や進路指導に利用することが多いようです。

⑥ 生活・職能日本語検定(J‐Cert)

国際人財開発機構が、3月・5月・9月・11月に開催している試験です。
受験料は¥4,000〜¥15,000。海外実施あり。

試験内容

試験内容は以下のとおりです。
  • ・文法問題
  • ・読解問題
  • ・聴解問題
  • ・社会文化問題
  • ・総合問題
  • ・会話問題

活かせる場面

日本語だけでなく、日本文化も評価対象です。
マスターレベル級では、ビジネスやアカデミックな場面が想定された問題設定になっています。

⑦ 標準ビジネス日本語テスト(STBJ)

応用日本語教育協会が、年に6回開催している試験です。
受験料は¥4,500〜¥5,000。
海外実施もあります。

試験内容

試験内容は以下のとおりです。
  • ・聴解問題
  • ・発話問題
  • ・聴読解問題
  • ・読解問題
  • ・語彙問題

活かせる場面

ビジネス日本語能力を基礎レベルから測定できます。
日本への留学を希望している学生などにおすすめです。

⑧ 実践日本語コミュニケーション検定(PJC)

株式会社サーティファイが、随時開催している試験です。
受験料は¥4,400〜¥5,000。海外実施なし。

試験内容

試験内容は以下のとおりです。
  • ・読解問題
  • ・聴解問題
  • ・聴読解問題

活かせる場面

「PJC」と「PJC Bridge」に分かれています。
難度の違う2種の検定により、基礎的な日本語からビジネス会話レベルの日本語までカバーできます。

優先的に取得させた方がよい資格

最後に、優先的に取得させた方がよい資格を紹介します。
結論からいえば、以下の2つです。
  • ・日本語能力検定(JLPT)
  • ・ビジネス日本語能力テスト(BJT)
外国人が自身の日本語力を語るとき、客観的な指標としてたびたび用いられるのが日本語能力検定(JLPT)のレベルです。
また、ビジネスパーソンとして日本で活躍するのであればビジネス日本語能力テスト(BJT)も取っておくとなかなか便利でしょう。
とはいえ、この2つ以外でも日本語の資格は取っておいた方がもちろん有利です。
余裕がありそうな場合は、以上2つ以外もすすめてみてください。

外国人労働者に適した日本語の資格を選ぼう

いかがでしたか。
今回は、日本語の資格について解説してきました。
日本語の資格は種類が多いですが、そのなかでも外国人労働者向けに絞ったことで、資格の概要だけでなく優先すべき資格がわかっていただけたかと思います。
日本で労働するなら日本語の資格を持っているとやはり有利です。
これを機に、日本語の資格取得をぜひともすすめてみてください。

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