【外国人教育担当必見】日本語の会話力を向上させる練習方法

「日本語の会話力を上げるには?」「日本語を話すための練習とは?」
日本人は当たり前に話している日本語ですが、例えば外国人の方からいざ「話すためにどう練習したらいいか」なんて聞かれて、果たして答えられるでしょうか。
本記事では、日本語の会話力を上げる練習法7つにくわえて、日本語を話せるようになるためのコツまで詳しく紹介していきます。
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日本語の会話力を向上させる7つの練習方法
日本語の会話力を向上させる練習方法を、ここでは以下の7つに絞って紹介します。
1.シャドーイング
2.質問リスト活用法
3.つぶやき法
4.ビデオ鑑賞法
5.一人二役法
6.ネイティブ法
7.OJT法
それぞれ方法を丁寧に解説していきます。一緒に見ていきましょう。
練習方法①シャドーイング
最初に紹介するのはシャドーイングです。
シャドーボクシングという言葉を聞いたことはないでしょうか。
仮想敵を置いて、一人で攻撃や防御を行うボクシングの練習法です。
シャドーイングも同じで、会話を想定しながら一人で日本語を話します。
はじめは、音声を聞きながらそのまま聞こえた音を発音しましょう。
聞こえた音をなぞるように話すのがポイントです。
練習方法②質問リスト活用法
シャドーイングでは、日本語のイントネーションやリズム感を得られます。
次に、より会話を想定した練習方法を紹介します。
それが、質問リストへ回答すること。
日本語の質問リストを用意し、そこから任意に選んだ質問へ回答してみましょう。
慣れてきたら、日本語の質問も発話して録音し、より実際の会話に近づけていくとよいですね。
練習方法③つぶやき法
次に紹介するのはつぶやき法です。
方法としてはもっとも手軽で、教科書や参考書、単語帳の単語・文章をひたすらつぶやくだけです。
シャドーイングや質問リストの活用をするほど時間が取れない場合などにさくっと発音練習ができてしまいます。
ただし、会話を想定した練習方法ではないため、ほかの練習方法と組み合わせながら取り入れてみてください。
練習方法④ビデオ鑑賞法
ここで、言語学習において近年頻繁に聞く方法を紹介しておきます。
それが、ドラマや映画を観ながら発音や会話の展開を学ぶ方法です。
VOD(Video on demand)サービスの普及や、字幕機能の充実により、日本人の英語学習においてもたびたび推奨されるようになりました。
人の脳はストーリーを記憶しやすいつくりになっているため、非常に効果的な方法といえるでしょう。
2回目以降は字幕なしで観るといった工夫も良いですね。
練習方法⑤一人二役法
次は一人二役法です。
これは先ほど紹介したシャドーイングの最終形態ともいえます。
その方法は、名前のとおり一人で二役を演じながら会話を続けるというもの。
実際に声に出しながら日常会話をしていきます。
慣れてきたら、込みいった設定や状況を想定したり、ビジネスシーンを想定したりするなど、シチュエーションを変えてみましょう。
練習方法⑥ネイティブ法
ゲームの上達を目指すならゲームをやりましょう。
バスケットボールでドリブルを極めたいならドリブル練習をするのが効果的です。
言語学習も同様に、会話レベルを上げたいのであれば、やはり会話するのがよいですよね。
今まで紹介してきた練習を通してある程度話せるようになってきたら、ネイティブの人との会話を重ねましょう。
同僚や先輩という立場で会話を繰り返すのもよいですが、ネイティブの友達などプライベートでも親しい人がいるとなお効果的です。。
練習方法⑦OJT法
最後に紹介するのは、OJT法です。
これは、日本語を使う会社に就職してしまうという方法です。
もし本記事を読んでいるあなたが、日本人ではなく日本語を学びたいと思っているのであれば、あるいは知り合いの外国人へ日本語を教えてあげたいと思っているのであれば、真っ先に「日本語を使う環境」へ。
日本人が英語学習をする際に、留学してしまった方がはるかに上達スピードが速いのと同じです。
まわりに日本語が流れ続けている環境へ身を投じるのが一番の近道といえるでしょう。
日本語の会話力を向上させる4つのコツ
ここまで、練習の「方法」を紹介してきました。
次は、練習をするうえでの「コツ」です。
以下の4つを紹介します。
1.口頭練習の量を意識する
2.外国人が興味のあるトピックスを用意する
3.外国人がわかりやすい場面設定を用意する
4.雑談で日本語を使わせる
それぞれ解説していきます。
コツ①口頭練習の量を意識する
言語学習におけるスピーキングの難しさは独特です。
いくら文法事項が頭に入っていても、瞬時に文章が口から出てこないことはよくあります。
もちろん座学による学習は大事ですが、それ以上に「話す」ことを意識しましょう。
ひたすら日本語を話す。
ここまで紹介してきた練習方法を駆使しながら、とにかく文章を言葉として出していくことを繰り返しましょう。
コツ②外国人が興味のあるトピックスを用意する
日常会話、世間話では時事問題も頻繁に話題に上がるでしょう。
しかし、何度もいいますが日本語学習者にとって大切なのは「話すこと」です。
そのため、会話練習の際には外国人が話したいと思うトピックスを提示してあげましょう。
楽しみながら自ずと学習するようになれば、勉強は5割以上成功です。
「話す」学習が心から自走できるお手伝いをしてあげてください。
コツ③外国人がわかりやすい場面設定を用意する
ここまで数多くの練習法を紹介してきましたが、重要な前提を忘れてはいませんか。
それが「目的」。
「なぜ日本語を話したいのか」という部分です。
ビジネスで使うから、友達と話したいから、日本に住みたいから。
場面が違えば必要な語彙や話し方も違ってきます。
学習者が思い描く場面、今後触れていくであろう場面を設定してあげるよう、意識してみてください。
コツ④雑談で日本語を使わせる
最後に紹介するコツは、非常に月並みな内容です。
それは「楽しむ」こと。
結局学びには、やりがいや楽しさ、心動く意義がないと続きません。
学習でありながらも雑談として楽しむ。
好きなアニメの話、行きたい観光地の話、好きなことを話して楽しみましょう。
その「楽しさ」のなかに、ステップアップのヒントが隠れているかもしれません。
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日本語の会話練習は自分に合ったものを組み合わせて
いかがでしたか。
日本語で会話する練習、その方法やコツがわかっていただけたかと思います。
練習方法はここで紹介したものだけで7つあります。
ひとくちに外国人社員といってもさまざまです。
個々人に合ったものをチョイスしたり、アレンジしたりしてあげて、会話力向上を目指しましょう。
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